大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和26(し)37 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

理 由

抗告申立人Bの抗告趣意について。

本件抗告の趣意は、昭和二五年一一月一八日東京高等裁判所第一一刑事部が被告

人Aに対して郵便に付して送達した控訴趣意書最終提出日の指定は、不適法であつ

て、同裁判所が同年一二月一八日控訴趣意書不提出の理由で被告人の控訴を棄却し

たこと及び同二六年四月一六日同裁判所がこれに対する異議申立を棄却したことは

何れも憲法三二条、三七条に反する違法があるというのである。

記録によると東京高等裁判所が昭和二五年一二月一八日した控訴棄却の決定は、

同月二二日被告人Aに送達されたこと、これに対して同被告人の弁護人たる小田垣

常夫が異議の申立をしたのは、同二六年一月一〇日であることが明らかである。然

らば右異議の申立は、刑訴三八六条二項、三八五条二項、四二八条二項、四二二条

に定める三日の期間経過後になされたものであつて、右期間の経過とともに前記控

訴棄却の決定は確定したものであるから、原裁判所が右異議の申立を棄却したのは

正当であり、前記控訴趣意書最終提出日の指定の適法、不適法を論じ、これを憲注

三二条、三七条に違反したものと論ずることは、既にその前提条件を欠くものであ

つて、特別抗告適法の理由とならない。

よつて刑訴四三四条、四二六条一項により主文のとおり決定する。

この決定は、裁判官全員一致の意見によるものである。

昭和二六年七月六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

- 1 -

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!